「メッセが地域企業をレベルアップした」

今回、諏訪圏工業メッセ25周年WEB企画のインタビューにご登場いただくのは、諏訪圏工業メッセの第1回目から継続して出展。黎明期のこともよくご存じの高島産業株式会社 代表取締役会長 小口武男さんです。

インタビュー

高島産業様は諏訪圏工業メッセの第1回目からずっと出展されていますね。

当時のことを振り返ると、諏訪圏の大手企業が海外への展開をどんどん進め、中小企業はこれからどうしようか、と我々が悩んでいた時期に、まず諏訪市工業展、続けて諏訪圏工業メッセが開催されました。それまでは我々中小企業が展示会で部品を展示するなんて考えられなかった。ところがメッセ開催によって「我々がものづくりをPRできるんだ。自分たちから営業をかけて、研究開発的なこともやっていこう」というきっかけになったんです。諏訪圏工業メッセは、このような時代背景の中で、中小企業が生き残るための重要な転換点になりました。それとメッセは単なる展示会ではなく、当時としては新しい発想がたくさんありました。

ものづくりをPRできることだけではなく、メッセの新しさとは?

産官学連携という時代の波とタイミングが合ったんです。私は、当初からメッセに携わり、その中で、産学官金の連携がこれから重要ということで、産学官連携委員会の委員長役を仰せつかりました。ちょうどメッセ開催年の平成14年(2002年)に政府の内閣府主導で産学官連携推進会議も立ち上がり、委員会メンバーと一緒に京都の会議まででかけ、いろいろと啓蒙を得て勉強になりました。

いち早く産学官に着目し、それを推進できる環境を整えたんですね。

もうひとつ大きなことは、メッセ第一回目の基調講演にトヨタ自動車の林南八氏をお招きできたことです。林南八氏はトヨタ自動車の技術職の最高位である技監を長年務め、「トヨタ生産方式」の伝道師と言われた方です。
しかも、その場で終わりではなく、その後、トヨタ自動車から講師の先生をお招きし、諏訪の企業を対象にした「ものづくり指南塾」が開校される流れになりました。トヨタ式「カイゼンKAIZEN」をじかに学ぶ塾。諏訪圏の企業が何社も参加して、自動車産業の厳しいものづくりへの姿勢を教えてもらいました。自動車産業に関わっている諏訪の企業は、当時、まだまだ少ない状況だったんです。今はかなり多くなりましたね。そのきっかけをつくったのが、実はメッセなんです。

メッセ開催は、地域企業のレベルアップにも貢献したんですね。

トヨタに学び、トヨタに並び、トヨタを追い越せ。そういうキャッチフレーズで我々はやっていました。塾では、実際に工場を回っての具体的な指導から考え方まで、非常に勉強になりました。

御社にとってのメッセはどのような位置づけでしょうか?

展示会というのは営業の窓口になります。そこで「こういう製品ができないか?」と、いろんな企業から、あれこれ製品への要望が寄せられます。そうすると、次は研究開発的な部分が重要になってくる。うちは地元だけではなく全国の大学研究室との連携に取り組んでおり、その成果として特許を数多く取得してきました。メッセによって、会社の構造自体が下請けから大きく転換してきたと言えるでしょう。ちなみに私が入社した約40年前は、地元大手企業の下請けとして、95%がその会社からの受注でした。それが今やその会社からはわずか約5%です。

すごく大きな変化ですね。顧客の多様化がまさに数字で如実にわかります。

そうですね。それでも、ものづくりのベースは精密。超がつく精密への挑戦を基本にしていることに変わりはありません。

最後に、これからのメッセに期待することをお聞かせください。

私は諏訪のメッセが始まる前から、海外の、特にスイスとかドイツとかの展示会にはよく行ってました。バーゼルとかハノーバーとか皆メッセという名前がついていて、大規模な展示会ですが、特にドイツでは多くの人が家族連れで見に来ていて、いい雰囲気だなと思いました。またバーゼルではMESSE BASELという時計の大きな展示会が有ったのですが、会場が分散していて、バスで回って見るんです。これからの諏訪圏工業メッセも、ひとつの地域の会場にこだわらず、もっと広域で考えてもいいかもしれません。
それと、今、日本の大規模な展示会では、ここは燕三条ブース、こっちは墨田区、向こうは東大阪とか、地域ごとに売り出すという地域間競争の雰囲気があります。これは行政にも全面的に応援していただき、諏訪圏だけではなく、長野県というエリア分けかも知れませんが、地域全体がまとまって他の県や海外へブース出展していくことも、今後、重要になってくると思いますね。

■企業プロフィール

社 名
高島産業株式会社
所在地
本社
〒391-0012
長野県茅野市金沢5695-6
TEL. 0266-72-8833
主な業務内容
精密挽物部品製造、精密研磨、ICウェハ研磨等
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